1985年にスタートしたギャラリー・間は、今秋20周年を迎えました。この節目を記念して「住宅」をテーマとした展覧会と講演会を開催し、あわせて記念出版物を刊行いたします。 住宅は古くから建築の原点であると言われ続けてきました。時代を超えてなお、その存在が確かな住宅には、単に人の住む器を超えて「建築の可能性」にまで射程を置いた建築家の理念・思想・想像力が見事に結晶化されているということが感じられます。ギャラリー・間ではこうした背景のもと、私たちの活動と併走してきたこの20年にわたる住宅を俯瞰し、いま住宅から何が見えるのかを改めて考えたいと思います。かつて近代建築の巨匠たちが住宅をとおして建築の新しい理念を具現化したように、現代を生きる建築家たちは住宅からどのようなメッセージを発信しようとしているのでしょうか。 会場一杯に広がる、いくつかのスケールの断面模型、外観模型、敷地模型となった123の住