日本における外科医療の将来と周術期感染管理 日本外科感染症学会 前理事長 草地信也 (東邦大学名誉教授、東邦鎌谷病院外科) 外科医療の今後 外科医を取り巻く医療環境は今後大きく変化する可能性があります。国は急性期病院と慢性期病院の在り方を明確に区別する方針を打ち出しており、急性期病院には重症度、医療・看護必要度の高い患者さんの割合を高くして、早期退院をはかり、病床数の減少を求めています。さらに働き方改革で医療従事者の労働管理を打ち出しています。 このため、病院経営の面から考えると、急性期病院は重症度、医療・看護必要度の高い手術患者の割合を高くする必要があり、手術症例を稼ぐ外科医は貴重な存在となります。 また、術後患者は早期に退院させ、術後合併症を起こした患者でもなるべき早く後方支援病院へ転送させることが必要となります。さらに、周術期管理から外科医の負担を減少させ、外科医は手術に専念できる環