今年のヒット商品番付で横綱級にランクされる低価格ミニノートパソコン(PC)。今や10社以上の国内外のPCメーカーが参入し、市場は戦国時代の様相を呈しているが、ミニノートPCという新しいカテゴリーの商品をいち早く世に出した会社が横浜市にある。従業員わずか約40人の「工人舎」だ。この会社こそが、新たな成長市場を創造し、ブームに火を付けたパイオニアなのだ。 「店長、このノートパソコンを7万9800円で売り出してみませんか」 今から2年半前の2006年6月のこと。工人舎企画部の佐藤滋俊部長は、都内にある大手家電量販店の店長室に、まだ可動しないデザインモデルの段階のミニノートPCを持ち込み、売り込み攻勢をかけた。 「えっ、何? 7万9800円!」 工人舎は04年に設立されたばかりで、業界での知名度はゼロ。しかも、当時は「コンパクト=高額」が業界の常識だった。店長も半信半疑だったが、「おもしろ