土曜の朝、電車に乗っているとき、すぐそばに親子が立っていた。男の子は、お母さんと外出できるのが嬉しくて仕方ないって顔で、お母さんの足に乗っかったり腕をひっぱったりしている。いたいいたい、といって笑いながら、その子のお母さんは「そんなひっぱったら、ママの手とれちゃうよ。もうママごはん作れなくなっちゃうけどいいの? ○くんもうママのごはんたべれないんだよー」みたいなことを、言って、そういうのって親子によくある会話といえばそうなんだけど、男の子がお母さんにギュッと抱きついて「やだ! おかーさんのごはんたべたい」と言ったのには、だいぶぐらっときてしまった。「ひっぱってないからね」と言いながら、もういちど手をつなぐ。窓のそとを見ながら、なんども振り返って、お母さんの顔を確認する。ああちゃんといる、っていう、ほっとした顔を、私は見ていた。 → わりと、ちょっとしたことでかなしくなったりうれしくなったり
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