そらの飛翔が随分と力強い。小野大輔の確信に満ちた語りもあり、前向きである。あの日の少女の背中を追いかけたりしないし、空が恐いわけでもない。「そら」の語りを原作と比較してみよう。アニメ版はこう。 そして、いつしか僕は空を見ていた。 いつだって悲しみの色をたたえていた空。 限りなくどこまでも続く蒼。 その無限へと還ってしまった少女。 今もひとりきりでいる少女。 だから僕は彼女を探し続ける旅に出る。 そして、いつの日か彼女を連れて帰る。 新しい始まりを迎えるために。 で原作はこう。 そして、いつしか僕は空を見ていた。 いつだって悲しみの色をたたえていた空。 彼女はもう地上にはいない。 この空の彼方にいるのだ。 悲しみの正体は、それだった。 ずっと空に向かって、彼女は生きていたのだ。 限りなくどこまでも続く蒼… 何も終わりを知ることなく、続いてゆく世界。 その無限へと還ってしまった少女。 今もひと