『ラインの黄金』(ラインのおうごん、ドイツ語: Das Rheingold)は、リヒャルト・ワーグナーが1854年に作曲し、1869年に初演した楽劇。台本も作曲者による。ワーグナーの代表作である舞台祝祭劇『ニーベルングの指環』4部作の「序夜」に当たる。 概要[編集] 『ラインの黄金』は、歌劇『ローエングリン』に続くとともに、後に「楽劇」と呼ばれるようになった最初の作品である[注 1]。4部作はそれぞれ独立した性格を持ち、単独上演が可能である。このうち『ラインの黄金』は全1幕4場からなり、上演時間は約2時間30分と4部作中もっとも短い。物語も音楽もかなり変化に富み(後の3作で多くの部分を占める、二人だけによる長大な対話場面が本作にはほとんど無い)、序夜というだけでなく4部作の中で最も親しみやすい入門編的性格も持つ。第4場の幕切れとなる「ヴァルハラ城への神々の入城」の音楽は演奏効果が高く、しば