語れる気がしない。 2月17日午前2時、格納して追記。 2月17日夜、さらに追記。 それから今日に至るまで、15年弱。 そのほとんどの期間において、ヴァシリエフはロシアにとって、この競技でタイトルを競い得る、たった一人のエースだった。 彼の肩にはいつでも、ロシアのファンすべての夢と希望が乗っていて、彼のジャンプがそのまま、ロシアチームの運命そのものだった。 ただ一つ、問題があった。彼の着地が、恐ろしくヘタだった(トップジャンパーにはあるまじきほどに!)、という問題である。 胸のすく大飛行のあと、彼はだいたいいつも、足をがに股に開いて、「どさっ」とか「ずしゃっ」とかいう漫画的な擬音がよく似合う、いかにも不格好なランディングをする。テレマーク姿勢は、出来た時が儲け物。 それどころか、彼はしばしば勢い余って、腕や背中まで用いた着地すら試みた。……有り体に言えば、よく転ぶのである。(それも、しばし