自分は生まれながらのマイノリティだ。 今でこそ同じような境遇の人間が増えたが、当時はまだ少なく、ほとんど理解されていなかったのだ。当然今でも差別は色濃く残る。 自分と障害者とではもちろん境遇が違う。だから理解できるとも思わないが、マイノリティに対する世間の反応というのはいやというほど浴びながら育ってきた。 ぼくがマイノリティであることは見た目ではすぐにはわからない。 だからうまく紛れることはできたし、必要がなければ明かさなかった。 ただ、その分同じ境遇に向けた反応に対して同調圧力を求められることは何度もあったし、そのせいでノリが悪いスカした人間だと思われたこともある。 学生の、まだ多感な頃の話だ。 仲の良い、信用できると信じていた人間数人に自分の素性を明かしたことがある。 その時涙を流しながら同情する人間がいた。 「かわいそうに。辛かったでしょ。どんな目に遭ってきたの?」 ぼくの肩に手を載
![感動ポルノが嫌いだった](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/b1638cdb5807a4788e4ba3c1109a984166e095fc/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fanond.hatelabo.jp%2Fimages%2Fog-image-1500.gif)