実家に行って、古い写真の整理をしていた時の話。 3歳から6歳くらいの頃の私は、大抵頭に大きなリボンをして写っていた。髪を横分けにして三分の一くらいをゴムで括り、幅広のリボンを結ぶ。昭和30年代の小さい女の子の典型的なヘアスタイルだ。リボンのことを「おりぼん」と言っていた。 いくつかの「おりぼん」を持っていたが、よく覚えているのはよそ行きので、幅が5〜6センチもあるベビーピンクのサテン地に、赤と黒と銀の糸できらびやかな刺繍が施された、かなり目立つやつだった。母がタンスに仕舞った箱からそれを取り出して髪に結んでくれる時のシュッシュッという音は、「これからどっかにお出かけする」という晴れがましい気分と共に、記憶の中に刻み込まれている。 写真を見ながら「このリボン、なつかしいね」と言うと、「それ、おばあちゃんが買ってくれたのよ」と母。そう言えば、母の趣味とはちょっと違う。母の買ってくれるリボンは、
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