鶏肉をたたきや刺し身で食べる生食への風当たりが強まっている。食中毒防止のため、厚生労働省が自治体に対策強化を求めているからだ。九州・山口は全国でも鶏肉をよく食べる地域。「生」が食文化として根付く宮崎や鹿児島では戸惑いがみられるが、リスクを重視して飲食店に提供自粛の徹底を求める自治体もある。 宮崎市の歓楽街「ニシタチ」にある飲食店「和バル喜作」。10月中旬、同僚と訪れた宮崎市の会社員桑田大樹さん(36)は鶏刺しの盛り合わせを注文した。レバー、砂肝、ハツ、胸肉……。「鶏刺しは普段からよく食べる。生のリスクも分かるが、慣れ親しんだ味でおいしい」。平野裕策店長(29)は「うちのメインは鶏刺し。店で出せなくなると、やっぱりきつい」。 生の鶏肉は、下痢や発熱などを引き起こす細菌「カンピロバクター」による食中毒のリスクがある。今春、東京や福岡のイベントで計800人以上の集団食中毒があり、厚労省は6月、自