「手を近づけるだけで音楽が聴ける」「歩調から個人を識別し、不審者の侵入を防ぐ」--。生体を使ったこんな通信技術の研究が進んでいる。電波やコードの代わりに使うのは、体やモノが帯びている静電気が作る電界。動物はこの揺らぎを感知し、エサなどを捕まえているという。【河内敏康】 ■人の周囲数メートル 電流の担い手は電子だ。物質に電子が1個くっつくと、まわりに負の電界が生じる。逆に電子を失えば正の電界になる。 これが「静電界」。乾燥した日に金属をさわってパチンと来る静電気が、静電界の主だ。私たちが歩いている時、地面と靴底が触れたり離れたりすることで電子は激しく移動し、電界もめまぐるしく変化する。こうした変化を「準静電界」と呼ぶ。体や金属など、電気を通す物質のまわりには常にある。 人がじっとしている時の準静電界は体の周囲数メートルにも満たないが、歩いたりすると広がり、その影響は周囲20メートル以上に及ぶ
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