名人戦・集中力の深海に触れた印刷 メール 名人戦・集中力の深海に触れた 昼食後、再開の一手目を指す羽生挑戦者を見つめる茂木健一郎さん（右奥）＝２４日、新潟県長岡市の長岡グランドホテル、吉本美奈子撮影 ■脳科学者・茂木健一郎さん寄稿 将棋の対局室には、深い思考と、高度な集中力が渦巻いている。熱戦さなかの第７０期将棋名人戦。最高峰の戦いを見た脳科学者の茂木健一郎さんが文章を寄せた。 ■細切れの現代と対照の空間 棋士は脳の限界追う開拓者 新潟県長岡市のホテルで行われた、将棋名人戦第２局１日目を見た。緊張と華やぎ。なぜ、将棋の名人戦は、これほどまでに私たちを引きつけるのだろう。棋士たちのふるまいが、現代人に反省を迫ることは確かである。 私たちの生活は、ますます細切れになりつつある。振り向ける「注意」の継続時間は短い。仕事をしながらインターネットで調べ物をし、携帯でメールをチェックする。そんながちゃがちゃした私たちの日常と、棋
