1979年6月刊とやや古いが、放射線医学の雑誌に載った「リスク・カタログ」という論文が米国において寿命をちぢめているもののカタログを提供している。 米国人の放射能に対する非科学的な恐れ、及びそれをあおるマスコミに対して、放射能より大きなリスクはこんなに沢山あるよと啓蒙するための論文であるが、著者はさらに一般化して、様々なリスクを寿命の短縮日数に換算して示し、「世の中の人はいつも種々のリスクに対する長広舌をふるい、これが政府の意志決定に大きな影響を与えている」現状に対して、適切な参照基準を提供しようとしている(論文紹介資料による)。 米国では1979年3月28日にスリーマイル島原子力発電所事故がおこり、それ以降、最近まで新規の原子力発電所の建設が凍結されていたほどであるから、この論文の発表時期に放射能に対する恐れが世間にあふれていても当然だったといえよう。 寿命に影響を与える最も大きなリスク