会社が移転して、最寄り駅が半蔵門から九段下に変わったこともあり、朝乗る車両も一番前から、一番後ろに変わった。女性専用車両だ。 男性の方々からは、女性ばかりいいな、とか、男をみんな痴漢と思うな、逆差別だ、という声もあるだろうが、これ、いいことばかりではない。 たしかに、概して、女性専用車は、空いている。急行でも、どうにか体が触れあわない程度で立っていられる。が、もちろん、ちょっと朝早く乗ると、普通の列車並みに混んでいる。そして、それがやっかい。 少しでもバッグが腿とかに触れたり(背の低い人が多いので)、ぎゅーぎゅーに押されて誰かに少しもたれかかるような形にならざるを得ないとなるとーーー 睨まれるのである。 ちらりちらりと、これ見よがしに何度もきっと振り返るのである。 そんなこと言ったって、身動きとれないの、わかるでしょ! と、こちらもめいっぱい白い目を向ける。 かくして、車内は殺気立っている