2023/12 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31. Love is... =12= 「あ、あの……」 こんなところで矢野さんに会うなんて、思ってもみなくて戸惑った。 けれども、口を開きかけた私を遮るように片手を上げて、彼は言った。 「少しお時間、いいですか?」 尋ねる口調ではあったけれど、私の答えも待たずに、彼は傍らの乗用車の助手席のドアを開け、目顔で私を促した。 そうすることが、彼にとっても、そして私にとっても、当然だと言いたげな様子で。 「いえ、あの、……用件の方を先に言っていただけないでしょうか」 「それは車の中でお話しますよ」 矢野さんは、穏やかな笑顔を崩さない。 彼に会うのはこれが2度目だったが、私は、生理的にこの人が好きになれなかった。 具体的に
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