本当の「さようなら」がこの世界から消えた 「さようなら」がこの世界より消えてから随分と時間が経ったように思う。 もうどこを探しても「さようなら」はいないのだろう。本当の意味での「さようなら」など絶滅してしまったのだ。 あるのは偽りと芝居がかった「さよなら」だけ、そんな世界に僕らは生きている。 別れの挨拶、「さようなら」の消失は僕たち人間の在り方を大きく変えた。 時代の進み方に伴って人間の在りようが変わる様を「進化」と表現することもあるが、どうにもこの変化だけは「退化」であるような気がしてならない。 ネット社会の隆盛と、SNSの台頭は僕らを大きく退化させたのだ。単純に言うと、僕らの口から本当の意味での「さようなら」を奪ったのだ。 まだネットもスマホもSNSも存在しなかった時代、別れとは深刻なものだった。 あるコミュニティから離脱する場合、例えば学校のクラスという場所からの離脱、つまり卒業や転
![世の中から本当の「さようなら」が消えてしまったことで起きた、スズキという男の悲劇。](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/ef38ac0e8ab04f1bad6e7b8e6fad53d951d2cc4b/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fblog.tinect.jp%2Fwp-content%2Fuploads%2F2018%2F02%2F3480303635_ee67bee004_z.jpg)