■広報レポート <左腕の存在感> ロッカールームでアイシングをしながら、武田勝選手は床に正座してモニターに視線を送っていました。自らは役割を終え、勝ち負けはつかない状況。それでも、チームの勝利を祈ることに変わりはありません。タイガースにサヨナラ安打が出た瞬間、「そうか、そう来たか」と残念そうにつぶやいて帰り支度を始めました。 甲子園独特の雰囲気にも、ポーカーフェースは崩れませんでした。六回まで2度、得点圏に走者を進めながら後続を断って無失点。圧巻だったのは七回です。先頭から2者連続安打で無死一、三塁のピンチを背負ったものの、右飛と三ゴロ併殺でタイガース打線に本塁を踏ませませんでした。 「状態は前回より良くなかった」と話す一方で「粘って投げることができた」と持ち味を発揮できたと振り返ります。その中で、四回に与えた今季3つめ(!)の与四球を悔やむところが、“ドクター”らしさだといえるでしょ