日本大アメリカンフットボール部の悪質タックル問題は、日大が設置した第三者委員会が月内にも最終報告書をまとめる。すでに中間報告書でタックルは内田正人前監督らの指示だったと認定。部は新監督が内定し、再建に向けて動き出しつつある。この問題は選手の自主性を奪う上意下達、一般社会との感覚のずれ、過剰な勝利至上主義などスポーツ界に根強く残る体質を明るみに出している。 日大アメフト部は昨年、内田正人前監督が1年ぶりに復帰すると、約20人が一斉に退部した。練習に厳しさが増しただけでなく、部の体質にも疑問が持たれたからだ。退部したうちの一人はこう振り返る。 「『おまえの代わりはどこにでもいる』という態度のコーチたちの好き嫌いで、試合に出られるかが決まる。だから、コーチの機嫌を損ねないよう、意見を言うことはなかった」 コーチたちも、大学ナンバー2の人事担当常務理事を兼ねていた前監督の顔色をうかがっていた。ある