連載2回目の今回は、大気中などから回収したCO2を原料に作られる合成燃料“e-Fuel”を取りあげます。化石燃料の代替として既存のインフラや車両で使用できるのが最大の利点です。パワートレイン電動化のトレンドは変わりませんが、耐用年数の長い自動車の買替えは一朝一夕では進まず、当面のあいだ保有台数の大半を占めるのは内燃機関搭載車です。e-Fuelを用いれば、「走行時に排出されるCO2」を「原料として使用したCO2」で相殺でき、排出量実質ゼロ(カーボンニュートラル)に一歩近づく可能性があります。船舶や航空機の代替燃料としても注目されており、国内外で実用化に向け研究開発が急加速しています。