スタートアップを経営する上で学んだ重要なことの1つは、マクロスケールではイノベーション市場が効率的だということです。スタートアップが立ち上がることのできるような市場には、ほぼ間違いなく複数のスタートアップが既に存在していると思われます。逆もまた真なりで、ある市場にスタートアップの気配が全く感じられないようであれば、その市場にはスタートアップの受け入れ態勢がないということになり、起業できる可能性は低いでしょう。 その意味において、スタートアップは生物学的な生命体に似ています。条件さえ整っていれば、そこには既に生命体が存在するというわけです。異なる点を挙げれば、スタートアップを取り巻く世界が生物学的な環境ではなく、経済的な環境ということでしょうか。 このことはスタートアップの起業アイデアの選択に大きな意味を持ちます。というのも、テクノロジー系の企業の間では勝者が権利を独占する傾向があり、最初に