長崎県諫早市高来町の轟峡の遊歩道崩落が発生した7月25日夕、標高200メートル超の現場上空を複数の報道機関のヘリが旋回しながら取材した。母子3人の救助作業にあたった諫早署と県央消防本部は、「ヘリのごう音や風圧で救出作業に支障があり、二次災害の恐れがあった」と問題点を指摘する。 現場は車両が入ることができる幅の道がなく、署と機動隊計約50人、消防本部約30人は徒歩で向かった。消防本部によると、母子3人の上に直径1メートル程度の落石や倒木、土砂が重なり、スコップやチェーンソーを使い救助を進めた。 署は「上空からの撮影は、被災者の姿をカメラにさらす可能性があり、通常より気を使って救出せざるを得なかった」と被災者のプライバシーを懸念。さらに二次災害の危険性も指摘する。ヘリ飛行時、ローター(回転翼)が下方へ風を作り出す「ダウンウォッシュ」が発生し、木や石が動く可能性があったという。 「災害現場では1