1990年代の情報産業は,より高速の演算処理とより大容量の記憶媒体の開発にしのぎを削った.これにより,コンピュータ,携帯電話,ディジタルカメラが身近なところにあふれ,情報産業の発展の恩恵を多くの人が受けるにいたる.そして21世紀を迎え,人々の視点は量と速さから質に移るようになる.すなわち,個人個人の家庭にこれらの最先端のディジタル機器が家電製品として入り込み,インターネットを通して膨大なデータが個人から個人へとやりとりされる中で,より質の高い情報処理が求められるようになるわけである.そこでこの求められる質とは何かを考えるときに避けて通れないのが,使用される場面の多様性に応じて適応する柔軟性であり,これをいかに低価格で実現するかが,激化する国際競争に勝ち抜く鍵となると考えられる. システムにこのような多様な要請に対する柔軟性を持たせようとする際,最も重要となるのが,データの不確定性の取り扱