Julius は認識のための言語制約として,いくつかの種類の言語モデルをサポー トしている.統計モデルである単語 N-gram モデルに基づく認識,記述文法に基づく認識,および単語リストのみによる孤立単語認識を行うことができる. また,ライブラリとして他のアプリケーションに組み込まれるとき,アプリケー ション側から何らかの言語制約を提供するユーザ関数を与えることで,その言語制約を直接駆動して認識処理を行うことができる. 言語モデルは,言語モデルインスタンスごとに個別に指定できる.一つの言語モデルインスタンスには一つのモデルしか指定できない(ただし文法については一つのインスタンス内で複数の文法を使うことができる).複数の言語モデルインスタンスに対してそれぞれ異なるタイプのモデルを指定することで,複数の異なるモデルを同時に用いて認識することもできる. 本章では,各言語モデルで共通である単語辞書