電通の女性社員の自殺が労災認定されたニュースをきっかけに、長時間労働の問題が注目を集めている。そんな中、2014年に心不全で亡くなったフィリピン人の外国人技能実習生が過労死認定されるというニュースが流れた。 外国人技能実習生制度を「現代の奴隷制度」と非難する論調はかねてより根強くあったものの、このニュースを受けて「企業名を明かすべきだ」「日本の長時間労働文化の犠牲者だ」という指摘が数多く見受けられた。しかし、現場の実情を熟知した上で企業や制度を批判している人はそう多くないのではないか。 かつて、私は外国人技能実習生制度に基づく機関に関わっていた。技能実習生に関わる団体設立の申請や関係機関との折衝、外国人技能実習生候補数百名の海外現地面接もした。 現場を見ると、「長時間労働を課した企業名を明かして、当該企業をつるし上げる」ということだけでは技能実習生制度の課題点は改められないばかりか、実習生
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