東京湾最奥部の浅瀬・干潟の三番瀬。浦安市寄りに位置する猫実(ねこざね)川河口域には、潮が引くと姿を現す広大な天然のカキ礁がある。周囲に広がる泥干潟とカキ礁には、多様な生き物が暮らしている。この海域の自然の実態を知ろうと活動を続ける「三番瀬市民調査の会」(伊藤昌尚代表)の八月の調査に同行させてもらった。 (小川直人) 島が見えた-。市川市塩浜から船で猫実川河口域に近づくと、浦安市側の護岸近くに黒い“島”が現れた。島を目の前にすると、無数のマガキが連なったカキ礁だと分かる。あちこちでカキが潮を吹く。エサを探すキアシシギもいる。 会によると、カキ礁の面積は約五千平方メートル。タワー状にカキが積み重なり、高い所は八十センチにもなる。カキ礁がいつから存在するかは不明。会が調査を始めた約十年前に比べ、少し大きくなった程度だという。 カキ殻の間からカニや貝類が顔を見せる。カキ殻をめくると、県レッドデータ