東京は入谷。この下町に、ドウダンツツジ、茶の木、竹、桜、柿、といった木の枝で、一本一本風合いの違うハンコをつくる印章屋があります。木の種類や、部位によって、形や手ざわりもさまざま。 眠り猫やお地蔵様など、なんとも素朴な絵柄と名前が彫られます。 あなたの名前の彫り込まれた、遊び感覚のハンコを作ってみませんか? 職人が手作りした物の良さは、使いこなすほどわかるもの。手ざわり、品、ぬくもり、もちのよさなど、機械で大量生産された物が溢れる今の世の中では貴重です。けれど、テクノロジーの進化したこのご時世に、昔ながらの手作り品ばかりで生活できるかというと、これはなかなか難しい。伝統的な工芸品ともなると、値段もはるし、現代の生活に、なくても困らないものが多いのも事実です。そこには、今の時代にも通用する、新しい知恵が求められます。 伊藤印房は、昭和22年に開業した印章屋。店主であり印章職人でもある伊藤睦子