◇“中国のゴルバチョフ”?◇ 中国共産党第17期中央委第5回全体会議(五中全会)は10月18日に閉幕したが、この重要イベントにぶつけるかのように会議最中の同月16日に成都、西安、鄭州、翌日からは綿陽と武漢、徳陽などで過激な反日暴動が起きた。公安、軍の一部が上海派と組んでの演出説が強い反日デモだった。 五中全会は大波乱が予測されたが、いざ蓋を開けると第12次5カ年計画の基本方針は原案どおりパス、また今後5年間の経済・社会・民生発展方針も難なく可決された。「政治改革」は温家宝首相の演説だけ。もっとも注目された権力闘争の決着は、胡錦濤ら主流派の計画に齟齬が生じ、子飼いの李克強副首相の躍進はならず、逆に「太子党」(高級幹部の子弟ら)の習近平が上海派の強い後押しによって軍事委員会副主席に選出された。 これにより今後の政局運営を予測するならば「胡錦濤(団派)」vs.「上海派」という権力闘争の構造