アイドルグループSDN48の一員として紅白出場経験もある大木亜希子さんは、25歳で芸能界からWebメディアの営業職に転職する。が、無理がたたって精神を病み、職なし金なし彼氏なしの「詰んだ」状況に陥ってしまう。そんなとき彼女を救ったのが、当時56歳の赤の他人「ササポン」との同居生活だった。 〈結婚はまだなの? 彼氏はいるの? 収入はいくらなの? ふと周囲を見れば、視線をそらして下を向きたくなるような質問ばかりが、自分に向けられる。次から次へと人生の課題も出てきて、悩むことだらけだ。そのたびに私は、「もう無理っすわぁ」と我が家の食卓で絶叫している。しかし、そんな私の姿を見て、いつもササポンは笑いながらこう言うのだ。「アキちゃんの人生が羨ましいよ」と。 彼によると、私が人間関係で悩んだり恋をしたり、仕事のことで悩んだり、こうして本を書いたりしている、その一連の流れすべてが眩しいのだという。28歳