「何かの間違いではないか」。新米の予備検査で国の暫定規制値と同じ1キロ当たり500ベクレルの放射性セシウムが検出された福島県二本松市で、稲作農家の間に動揺が広がった。同市の三保恵一市長は23日、毎日新聞の取材に「仮に今後の本検査で規制値を超えれば、市場へは絶対に流さない」と語り、汚染米の流通阻止に全力で取り組む姿勢を強調した。それでも県産米の風評被害が強まるのは必至で、福島の厳しい試練が続く。【前谷宏、河津啓介、結城かほる】 500ベクレルの値が出た二本松市小浜地区(旧小浜町)は市南東部の山あいの純農村地帯で、稲作農家611戸、水田面積は112ヘクタール。 同地区の農家の50代女性は「コメントのしようがない」と言葉少な。「他の地区で大丈夫という話が出ていたばかりなのに、これからどうすればいいのか……。怒りよりも不安でたまらない」と途方に暮れた。 市内の農家の男性(59)は検査結果を知