コンピュータネットワークでさまざまな情報がやりとりされるようになり、盗聴されない安全な通信が必要とされています。今回のテクの雑学では、「絶対に安全な暗号化手法」として注目されている量子暗号の仕組みをみてみましょう。 現在使われている暗号理論の限界 「コンピュータで文書を暗号化する」というのは、任意のビット列と文書ファイル(これもビット列です)のデータに一定規則の演算を加えることで、元の文書ファイルとは異なるビット列に変換する操作をいいます。変換時に用いるビット列を「鍵」と呼びます。 現在、通信時の暗号化に広く使われているPGP(Pretty Good Privacy)では、「公開鍵」と「秘密鍵」という2本セットの鍵を使用します。公開鍵とは文字通り世界中に公開されている鍵で、秘密鍵は所持者が他の人に分からないように所持している鍵です。公開鍵を使って暗号化された文字列は、対応する秘密鍵でしか復
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