海開きした神奈川県逗子市の海水浴場が懐かしい海辺に戻っている。昨夏までは様々な音楽が鳴り響いていたが、条例で禁止された。子どもの笑い声に波音と風音が入り交じる海は、湘南の夏に定着するのか。 「日本一厳しい」 梅雨の晴れ間がのぞいた6日の日曜日。東京から親子4人で逗子海水浴場に来ていた男性会社員(35)は「音楽のない海もいいものですね。浜辺でお酒が飲めないのは残念だけど、安心感がある」。昨夏は、来ようとした直前に、海水浴場付近で殺傷事件があったことを知り、やめたという。 「昨夏はほとんどいなかった家族連れが、多い時には7、8割を占めます」。監視所責任者の歌代光雄さん(72)は今夏の劇的な変化を語る。 逗子市は2月、平井竜一市長が「日本一厳しい」と話す海水浴場条例を制定。海の家以外での飲酒やバーベキューの禁止▽入れ墨(タトゥー)の露出禁止▽音響機器を使った音楽の禁止――などを盛り込んだ。 昨夏