2006年11月、京都市と横浜市で狂犬病患者が発生し、男性が2名死亡しました。 いずれも、フィリピンでの滞在中、犬に咬まれ、日本に帰国した後、発症した模様です。 日本国内での狂犬病の発生は、実に久しぶりです。 犬での発症は1956年が最後となっています。 人での発症は、1970年にネパールへの旅行から帰ってきた日本人が死亡して以来です。 狂犬病は、日本で長い間発生していなかったため、その恐ろしさは風化しつつあったのですが、今回の件で、改めてその危険性が再認識されました。 今回は、「なぜ日本で犬に狂犬病注射をしないといけないのか」「ワクチンをうたないということは何を意味しているのか」ということを考えてみたいと思います。 1.「狂犬病って何なの?」 狂犬病は、狂犬病ウイルスの感染によって起こる病気です。 日本では、その危険性が風化しつつありましたが、実際には、現在も世界中で猛威をふるい続けてい