2016 - 11 - 20 「生活」を描いた映画『この世界の片隅に』と、「生きる」を描いた原作と 本稿は本当は昨日アップされるはずだったのだが、一昨日の記事を書いたあとに、いろいろ考えるところがあって、いったん保留した。 時を置いて考えても、『 この世界の片隅に 』は、本当に素晴らしい映画だったし、それに対する賛辞の言葉は惜しまれなく注がれている。それで原作を手に取る人もたくさんいて、 こうの史代 先生の読者はどんどん増えていくだろう。だったらぜんぜんそれでよくて、僕が何かを言う必要なんて何にもないのではないか、と。 結城恭介先生が、「 【書評】心あらため…… 」という記事を書いている。 「良い評論とは、誉めてある評論である。悪い評論とは、それ以外の評論である。」 という言葉を引いて、書評を始めるにあたっての「心あらためとしてこれを記す」としている。この言葉はずっと、胸の内に貼り付いて
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