印刷 淡島千景さん=2009年8月映画「夫婦善哉」(東宝、55年)で森繁久彌さんと 戦後まもなく宝塚の娘役として人気を誇り、後に「夫婦善哉(ぜんざい)」「麦秋」など日本映画史に残る作品をいろどった俳優の淡島千景(あわしま・ちかげ、本名・中川慶子=なかがわ・けいこ)さんが16日、膵臓(すいぞう)がんで亡くなった。87歳だった。 東京都大田区生まれ。41年、久慈あさみらとともに宝塚歌劇団へ。46年の月組戦後第1回公演「ローズ・マリー」で主演し、娘役のトップスターとなった。 50年に退団した後、松竹の専属俳優に。デビュー作の渋谷実監督「てんやわんや」で社長秘書を軽妙洒脱(しゃだつ)に演じ、いままでの日本映画で見られないコメディエンヌぶりを発揮、第1回ブルーリボン賞演技賞を受けた。53年の「君の名は」では岸恵子演じるヒロインの面倒をみる気っ風の良い姉御肌の娘を好演、小津安二郎監督「麦秋」、木