千葉市、川崎市の下水を高度処理してオーストラリアに輸出する実験が今秋にも始まる。下水はほとんどが処理後、川や海に捨てられていた。これを豪州からの鉄鉱石を運び終えた空の大型船に積み込み、雨が少なく水不足に悩む豪州の鉱業会社に供給する。成功すれば、日本の「水資源」を輸出する初の事例になる。 5日、国土交通省などが始める実験に、ウェスタンオーストラリア州政府が協力することで合意した。売却候補地は、リオ・ティントなど世界的な鉱業会社が進出している豪州西部の鉄鉱石産地だ。 鉱業会社は、鉄鉱石を洗ったり、粉じんが舞い上がらないようにしたりするために大量の水を使うが、豪州は全土が水不足。国交省によると、鉱業会社がいま使っているのは、海水を飲料水レベルまで淡水化した水で、1トン当たり4~5豪ドル(300~400円)もするという。 今回の試みは、豪州のような水需要国と、水余りの日本をビジネスベースで結ぼうと