去る7月17日、渋谷の小さなカフェで、ひとつのイベントが行われた。その名は「電書フリマ」。電子書籍をフリーマーケット形式で、つまり対面で売るというイベントだ。主催は「電子書籍部」という都内のライター・編集者育成文章講座の生徒による“サークル活動”だったが、リアルな対面式販売とデジタルな電子書籍を組み合わせた斬新さがネットで話題になった。今回の電書フリマ、開催時間は半日ほどだったが、売り上げ冊数は実に5206冊。来場者数は主催者発表で777人、そのうち購買者数は529人だ。1人あたり10冊近くまとめ買いしていった計算になる。 デジタルな電子書籍を、どうやって対面販売するのか。その仕組みはこうだ。まず、会場で用意されている電子書籍のカタログに目を通す。カタログには書籍のタイトルとおおまかな内容が説明されているので、気になったものがあれば販売員にその場で代金を支払い、自分のメールアドレスを伝える