金融市場の方向感がなかなか定まらない。2016年末に「トランプ相場」で大幅な株高・円安が進んだが、2017年に入りトランプ米国大統領が打ち出す政策(トランポノミクス)に対する思惑が交錯していることが原因の一つだ。米国株がじりじりと最高値を更新している一方で、米国債券市場では金利上昇が止まり、為替市場ではドル高が一服してやや円高地合いで推移している。 市場の「仏大統領選ルペン勝利懸念」は長続きしない トランプ政権に対する「期待度」が、株式市場と債券・為替市場の値動きの違いの一つだろう。株式市場は、トランポノミクス実現を期待しており、企業業績の一段の改善を織り込みつつある。一方、債券・為替市場では、閣僚人事の遅れなどから、不安定なトランプ政権に対する疑念を感じているとみられる。また米国以外に目を移すと、フランス大統領選挙に対する疑念などが米国やドイツなど安全国債への買いを促し、そして米金利低下