死刑確定ということで、マスコミの多くは加害者の実名報道を始めたようだ。少年事件の匿名報道は、加害者の更生・社会復帰の可能性を配慮して行われている。それがなくなった、ということである。それでも、中日新聞は匿名報道をしているし、毎日新聞も匿名のようだと、友人が報せてくれた。マスコミも一枚岩ではない。こういうときの、各社の方針は確認したい。 長い裁判だった。13年もの年月が過ぎた。光市母子強姦殺人事件に対する、世論の反応や、裁判の揺れ動きは、日本の犯罪被害者の運動の象徴と言っていいと思う。これは悪党に社会が制裁を加えるような、大活劇ではなかった。正義が勝利したのではない。被害者が救われたのでもない。マスコミの煽り立てのもとに、報復感情を煽られた世論が、死刑を支持し、18歳の少年を殺すことを選んだ。私たちが、彼を殺すことにしたのだ。 私にとっても、とても重要で、いつも、何をどう考えるのかを迫られる