この記事では、岡崎準強制性交等事件の控訴審で有罪判決が出た理由や、岡崎準強制性交等事件であらわになった現行法の問題点を解説する。 そもそも「準強制性交等罪」って何? 岡崎支部の事件は準強制性交等罪での起訴なので、以前記事で取り上げた久留米準強姦事件と同様、被害者が「抗拒不能」の状態にあったことが必要である。「抗拒不能」は、「抵抗することが著しく困難な状態」と説明されることが多い。「抗拒不能」には、身体的抗拒不能と、心理的抗拒不能とがある。 久留米準強姦事件では、被害者が酩酊させられていたので「抗拒不能」のうち、身体的抗拒不能が問題となった事案であった。 岡崎準強制性交等事件では、抗拒不能のうち、心理的抗拒不能が問題となる。 地裁では、なぜ「無罪」になったのか? まず、当初の無罪判決につながった、地裁における事実認定を振り返ってみよう。 名古屋地裁岡崎支部は、被告人は、被害者が中学2年生のこ