『新しい常用漢字と人名用漢字』の読者から、なぜ「鎬」は人名用漢字ではないのか、との御質問をいただいた。そりゃあ、『新しい常用漢字と人名用漢字』のp.219にも書いたとおり、「鎬」はJIS第2水準漢字で、漢字出現頻度数調査の結果が46回(4060位)で、要望法務局数が1つしかなかったから、人名用漢字にならなかったのだ。 でも、たとえば、釘釧鋒鋸錄錆錐錦錫鍊鍋鍬鍵鎌鎧鎭鑄のうち、どれが人名用漢字でないか、という質問は、私(安岡孝一)ですら答えるのが難しい。その意味では、「鎬」が人名用漢字ではない、ということを知らない人物がいても、まあそれはそれで何の不思議もないと思う。