【大高敦】肥満症改善薬の臨床試験(治験)をめぐり、被験者4人の身長が実際より低く記録されたデータ改ざん疑惑で、治験を実施した大阪市の病院が計2460万円を製薬会社側から治験関連費用として受け取り、病院内部の処理でこのほぼ全額が治験を担当した医師2人の収入になっていたことが朝日新聞の調べでわかった。 病院に残されたのは3万円余りで、医師2人は昨年、病院を退職した。病院関係者は「院内の設備や職員を使って治験を実施したのに、通常はあり得ないことだ」と問題視している。 治験は製薬大手「小林製薬」(本社・大阪市)の依頼を受け、医療法人大鵬(たいほう)会「千本(せんぼん)病院」(同市西成区)が2010年4月から実施した。治験責任医師は当時の内科部長(43)で、当時の院長(45)も業務の一部を分担した。治験の契約は病院名で結ばれた。 朝日新聞が入手した内部資料によると、千本病院は10年4月〜12年