執筆者 白井 洋一 1955年生まれ。信州大学農学部修士課程修了後、害虫防除や遺伝子組換え作物の環境影響評価に従事。2011年退職し現在フリー 農と食の周辺情報 白井 洋一 2020年2月6日 木曜日 キーワード:環境 農薬 昨年(2019年)7月3日、農林水産省は鹿児島県のトウモロコシ畑で、ツマジロクサヨトウという夜盗蛾(ヨトウガ)が国内で初めて見つかったと発表した。侵入を警戒していた害虫で、その後、沖縄県、本州各地でも見つかり、11月には北は青森県まで全国21府県で確認されている。 ツマジロクサヨトウという和名は、成虫の翅のつま(端)の部分が白いことによるが、似たような夜盗蛾が日本にもいるので、判別は難しい。英語名はfall armyworm(中国では秋行軍虫)と呼ばれるように、秋に幼虫が大発生して作物を食い荒らす大害虫である。トウモロコシだけでなく、イネやサトウキビ、牧草、さまざまな