「ゲッチュ先生の野菜探訪記(木魂社)」という本を読みました。動物のように動けない植物は、ケミカルディフェンスといって化学物質を体内にため込んで、これを武器に摂食から逃れようとしているということを、野菜にもあてはめておもしろく解説されています。ワサビをテントウムシの背中に塗ったら死ぬ、アブラナ科野菜のS-メチルシステインスルホキシドでウシが溶血性貧血を起こす、タマネギでイヌが溶血性貧血を起こすなど例示して、こういったものを平気で食べられる人間こそが「変態」とのこと。 こうした有毒成分としてワサビの場合はイソチオシアネートが知られています。S-メチルシステインスルホキシドは、ニラのニオイのもとですし、タマネギの溶血成分は、イソアリルシステインスルホキシドでしょう。こうした成分は、このブログでよく紹介するような「***事典」の類の本では、これらの野菜の「健康成分」として大々的に宣伝されています。