現存するいくつかの写本にはその著者として「アポロドーロス」(Απολλόδωρος)という名前が示されている。このアポロドーロスは、サモトラケのアリスタルコス (Aristarchos) の弟子、アテーナイのアポロドーロス(紀元前180年頃生)と見なされてきた。アテーナイのアポロドーロスは、『年代記』(Χρονικα)を著し、ディオドルス・シクルスはこの年代記の記法を利用した。またホメーロスに関する注釈も著したことが知られている[2]。 しかし、このテキストには、おそらく1世紀の人物と考えられる[3]、ローマの年代記作者カストール (Kastor) の引用が含まれている(II.1.3)。また、アテーナイのアポロドーロスの著作はほとんどが散逸し今日伝存していないが、わずかに残る文章と比較しても、合理的で整然とした文献学的記述を行うアテーナイのアポロドーロスと『ビブリオテーケー』の編集者は作風