梅田 やはり、人間への関心というのは大切なことでしょう。特に、佐藤棋聖、羽生善治二冠(王座・王将)世代以降の棋士たちとお付き合いをしていていつも思うのですが、ここには、日本人の中でも極めて良質な人たちが集まっているという感じを持っています。ハイエンドのファンの方々は棋譜の芸術性、将棋の戦いに奥深さということになるんでしょうが、棋士のスター性に興味を覚えるファンもいる。例えば、歌舞伎でも、芝居の深いところまで全部分かっているファンだけに来てくださいということでは、お客さんが集められませんよね。将棋も一緒だと思う。 佐藤 それから、ファンとの接点もそうですが、データベースが整備されたことが大きい。最近は、その日に指したものも見ることができますし、過去のものもそう。いまだと、30年分くらい、7万局弱くらいのデータベースが将棋連盟にもできたんですよ。 昔は将棋を研究したり勉強するときに、自分の記憶