東京大学 医学部付属病院、「自閉症スペクトラム障害」の当事者では、他者が自分に対して友好的か敵対的かを判断する際に、顔や声の表情よりも言葉の内容を重視する傾向があること、また、その際には「内側前頭前野」と呼ばれる脳の場所の活動が有意に弱いことを示したと発表した。 成果は、東大大学院 医学系研究科 精神医学分野の山末英典准教授、同統合生理学分野の渡部喬光大学院生らの研究グループによるもの。研究の詳細な内容は、日本時間6月23日付けで米オンライン科学誌「PLoS ONE」に掲載された。 自閉症スペクトラム障害は、相手や場の状況に合わせた振る舞いができないといった対人コミュニケーションの障害を主徴とする代表的な発達障害だ。この障害の原因や治療法は未確立で、高い知能を有する人でも社会生活に困難をきたしやすい現状にある。 自閉症スペクトラム障害の当事者は、その高い知能や高い言語の理解能力にもかかわら