マニラ発のフィリピン格安航空会社(LCC)「セブ・パシフィック航空」の航空機が4日、福岡空港に着陸できずに北九州空港を経てUターンし、乗客125人が約11時間にわたって缶詰め状態になった。何が問題だったのか。日本航空の元職員で桜美林大の戸崎肇教授(航空行政)に話を聞いた。 ――セブ機は一度、ゴーアラウンド(着陸のやり直し)をした後、燃料不足の恐れを理由に目的地を北九州空港に変えました。 ◆緊急事態ならばパイロットは福岡空港に着陸の要請はしたはずで、緊迫した燃料不足ではなかったのではないか。航空会社は空港の到着予想時間や気象条件などからフライトプランを立て、燃料の量を決める。燃料不足になるということはほとんどなく、極めて違和感がある。 LCCとして、燃料を少なくして機体を軽くし、燃費をよくしようと考えたこともあり得る。当初から「いざとなったら北九州空港で降ろして問題ないだろう」と、ダイバート