TCP Fast OpenがRFCになりました。RFCが発行されたばかりとはいえ、Linuxではバージョン3.6から実装されており、3.13からデフォルトで利用できるようになっているので、既に割と色んな所で使えるようになっているだろうと思います。 TCP Fast Openの仕組みは既に色んな所で解説されていて、日本語の記事も数多くあります。なのでここでは一言で表すことにすると、「最近TCPで通信したことがある相手とは、3-way handshakeの最中にデータのやり取りも併せて行ってしまう。*1」という事をする為の仕組みです。これにより、connection確立時の1 RTTを節約することが出来るというのがTCP Fast Openを利用する利点です。 もちろん通信路の確立は保証される必要があります。その為にTCP Fast Openでは次のような手法を用いています。1回目の3-way
はじめに アクセスが急増すると、応答時間が著しく悪化するサイトはありませんか? 普段は200ミリ秒以内で安定してアクセスをさばいているのに、イベントやらキャンペーンやらを開始した瞬間から、普段の2倍や3倍のアクセスが殺到し、その結果、レスポンスタイムが3秒とか9秒とかかかるようになってしまうことってありますよね。 あるサイトの実状 つい先日まで、そんなサイトが私の目の前にもありました。自社で運営している某ソーシャル系のサイトなんですが、イベント開始時刻と同時にアクセス数が急増するのです。とはいえ、所詮は普段の2倍とか3倍程度の数なのだから、少なくとも1秒以内にレスポンスを返せるくらいの性能は維持したいものです。 しかし実際は困ったことに、応答に3秒以上もかかってしまう処理が大量に発生してしまう状況に陥ってしまっていました。これはきっと、どこかにボトルネックがあるに違いありません。 仮説を立
昨年末からずっとこんなことをしてまして、この時期になってようやく今年初のブログ記事です。 進捗的なアレがアレでごめんなさい。そろそろ3年目に突入の @pandax381です。 RTT > 100ms との戦い 経緯はこのへんとか見ていただけるとわかりますが「日本と海外の間を結ぶ長距離ネットワーク(いわゆるLong Fat pipe Network)において、通信時間を削減するにはどうしたらいいか?」ということを、昨年末くらいからずっとアレコレやっていました。 送信したパケットが相手に到達するまでの時間(伝送遅延)を削減するのは、光ファイバーの効率の研究とかしないと物理的に無理なので、ここで言う通信時間とは「TCP通信」における一連の通信を完了するまでの時間です。 伝送遅延については、日本国内のホスト同士であれば、RTT(往復遅延時間)はだいたい10〜30ms程度ですが、日本・北米間だと10
Multipath TCPとは、複数の経路を扱うためのTCP拡張である。実は、以前、本の虫: MultiPath TCPのLinuxカーネル実装という記事で、その実装デモを紹介している。 従来のTCPは、IPとの分離ができない。TCPヘッダーの中には、ひとつのIPアドレスとポートがある。経路ごとにIPアドレスが割り振られるので、経路を変えるには、別のTCPコネクションを貼り直さなければならない。 しかし、複数の通信経路を持つという環境は、もはや珍しいものでも何でもなくなっている。たとえば、多くのラップトップにはEthernetとWiFiの二つの経路があるし、スマートフォンにも、WiFiと3G/4Gという複数の経路がある。特にスマートフォンの場合、経路が使えるかどうかが頻繁に切り替わる。 過去に、TCPで複数のIPアドレスを扱う拡張はいくつも出されたが、いずれも、IPアドレスを隠すという点で
1. ゆずり合うこと TCPはネットワーク帯域を他のTCPセッションと譲り合います。 TCPには、ネットワークが混雑(輻輳:ふくそう)してくると、送信されるパケット量を減らす仕組みがあります。 この譲り合いがあるからこそ、現在のインターネットは多数の人間が同時に使えています。 同様に、現実世界においても無理な競い合いを行うよりも譲り合いを行った方がスケーラビリティが上昇します。 2. 信頼はきめ細やかな確認応答で実現されること TCPでは、信頼性を確保するためにAck(Acknowledgement、確認応答)を送信してデータの到着を伝えます。 TCPのセッションが確立している間は、Ackが細かく送受信され続けます。 このきめ細かな確認応答が信頼の根幹であると言っても過言ではありません。 現実世界においても、きめ細かく応答を行う事が重要です。 メールなどを受け取っても、全く返事をしない相手
Apple iOS 7 surprises as first with new multipath TCP connections Network World - Apple's iOS 7 is the first large-scale use of a newly-minted Internet protocol, called multipath TCP. It lets computers send and receive data across different network paths and interfaces at the same time, such as Ethernet, Wi-Fi and 3G. There is evidence [see screen shot below that Apple is using the new protocol fo
LWN.net needs you!Without subscribers, LWN would simply not exist. Please consider signing up for a subscription and helping to keep LWN publishing Much of today's Internet traffic takes the form of short TCP data flows that consist of just a few round trips exchanging data segments before the connection is terminated. The prototypical example of this kind of short TCP conversation is the transfer
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