経営再建を目指してきた山形市の百貨店「大沼」が、資金繰りの悪化を理由に山形地裁に破産を申請した。山形本店などの店舗の営業はすでに終了し、県内から百貨店が姿を消した。 (河北町の女性) 「きょうはどうしたんだろうと思って。山形市に来るたびにここばかり利用していたから何だか寂しいと思い眺めていた」 大沼は2019年10月に消費税が増税されて以降、月の売り上げが前年に比べ2割から3割減り、今期は数億円の減収が見込まれていた。これに伴い資金繰りが悪化し、4億円程度という1月の取引先への支払いも難しい状況となったため、事業の継続を断念し、27日に山形地裁に破産を申請した。 (大沼・長沢光洋代表取締役) 「本当に申し訳ない。今まで大沼を支えてくれた取引先、業者、大沼を愛し応援してくれた地域の皆さんに重大な裏切り。本当にどうすることもできなかった」 大沼は、江戸時代中期にあたる1700年に創業し、松坂屋