◇国の防疫に問題--山内一也・東大名誉教授(ウイルス学)の話 今回の広がりは、ウイルス排出量が牛の100倍ある豚に感染したことが大きい。00年、宮崎で発生した例では牛だけで済み、ウイルス自体の広がる力も弱いなど幸運が重なった。国としての防疫体制も問題。ウイルスは人やモノについて移動する。米国や豪州は、入国者に対し数日内に家畜に触れたかを聞く。最近も韓国などで口蹄疫感染があったが日本でどれだけ水際対策が取られていたか疑問だ。 ◇対応見直し検討を--後藤義孝・宮崎大教授(家畜微生物学)の話 もともと口蹄疫のウイルスは感染力が強い上に、都農町や川南町のような大規模畜産地帯で発生したことが、今回感染が拡大した原因だろう。国や県の指示に忠実に対策が取られていると思うが、ウイルスの方が先に先にテリトリーを広げている印象を受け、大規模発生に対応し切れていない。マニュアルや体制の見直しを早急に検討しなけれ